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Channel: Life in America ~JAPAN編
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「シン・あらそわ連」見参、実話。~その⑤

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第5章 「あらそわ連事業」の行方

今回「シン・あらそわ連」を結成し活動を始めた理由は、ただ一点。

2019年を最後に過去2年間中止を余儀なくされ、再開するのかしないのか定かでない国際交流事業「あらそわ連」への危惧。

コロナの長期化も見据え、”ウィズコロナ対策”を施したテスト的阿波踊りイベントなども徐々に再開されるなか、「あらそわ連事業」もそろそろアフターコロナのことを考え始める時にきている。

いつまでもコロナを理由に「やらない」一択をするのではなく「どうやったらやれるか」のかを前提にに進むときなのでは、と、同じ「あらそわ連OB」たちからも声が上がっていた。

阿波踊りは徳島が持ちうる、最も有効な国際交流の手段であり切り札なのだ。これをなくして何が残る?

 

実はこの事業、令和元年(2019年)を機にほぼ予算が倍増している。

2019年は「あらそわ連」の活動が最も活発化した年だったので(本番の夏の阿波踊りは台風で中止になり出番はなかったが)翌年からその分を予算計上したのだろう。

しかし、結局翌2020年から阿波踊りは2年連続中止に追い込まれ、結局「あらそわ連」の練習も出番もゼロだった。(予算の行くえはいずこ・・?)

ともあれ、今年2022年度もその流れを受けて約121万円の予算が計上されている。

夏まであと2か月・・・しかし、まだ、動きはない。

 

   令和4年度(2022)事業計画 

公益財団法人徳島県国際交流協会 公表情報:https://www.topia.ne.jp/topia/disclosure.html

 

 

他方、同じ徳島の伝統芸能である「阿波人形浄瑠璃」の公演を行っている「県立阿波十郎兵衛屋敷」は、コロナ禍でも極力閉館をしない努力を続けてきた。

3密を避けるという基本的な感染対策はもちろん、出演者やスタッフに感染者が出たときの連絡網の整備やルールも徹底して決め、そのうえで県のコロナアラートが3以上になるまでは毎日の公演を休むことなく続けてきた。

いったん休んでしまうと演者の士気が下がり、これをきっかけに伝統が衰退してしまうことを危惧した館長の想いもあった。

コロナで閉館せざるをえなかったときには「おうちで浄瑠璃」というWebコンテンツを作り配信するなど、継続への執念を感じた。

観客が密にならない浄瑠璃と、群衆の阿波踊りは一概に比べられないにしても、最後は「誰が(人)」「何のために(使命)」「ぶれずに(核)」「動けるか(遂行力)」の問題なのだろうと思う。

 

そういう意味で浮き彫りになったのは、これまでの「あらそわ連」事業はパワーとお金の配分があやふやだったことだ。つまり、この事業はTOPIAの”人海戦術”でのみでなりたっていたという危うさだ。

阿波踊りに強い関心がある(もしくはこの事業に使命感を抱く)担当者がいるときには動くが、担当者が異動でいなくなった瞬間にもう誰も動けない。

あらそわ連事業を担当するのは、たいがい職員1~2名。通常の業務をかかえながら処理できる仕事ではなく、練習が始まれば例外なく時間外労働になるのだが残業費は出ない。つまり、‟できればやりたくない仕事”なわけだ。

まずは、職員の事業への理解促進、十分な人員配分、そしてやむなき残業には正当な対価が支払われるべきなのではないだろうか。

また、「阿波踊り交流事業」は夏の阿波踊り参加だけでなく、「あらそわ連」の情報発信(ホームページの見直しなど)や、倉庫に保管している楽器類の定期点検など、種々雑多な業務があるのだが、ホームページにいたってはここ約3年間更新された様子がない。

「シン・あらそわ連」が一足早く連員の募集をして自主練習を始めたことは、いずれ「あらそわ連」事業の業務の手助けになると信じていたが、一方的に名前の変更を迫られるという苦々しい関係性に持っていかれたことは悲しい。

 

TOPIAで過去に働いていた、”真の国際交流”を目指していた人たちは皆口をそろえる。

「(役に立とうと)提案をしても仕事が増えるのを恐れてつぶされるんです。自分たちの仕事は増やしたくない、そのくせ他に仕事を取られるのは嫌う、そういう組織なんです。長く組織にいる人ほど、そういう考えに染まっているのは悲しい」と。

 

今年の動きに注目したい。

 


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